JAの暗闇(農協の闇)と賢く付き合う方法:書籍レビュー『農協の闇(くらやみ)』

「JAの暗闇(農協の闇)と賢く付き合う方法」と白文字で中央に配置されたシンプルなアイキャッチ画像。暗い背景に鮮明なテキストが、JAの問題と賢い対応を強調しています。

JA(農業協同組合)は、日本の農業者を支援する組織として長い歴史を持ちます。しかし、その実態は必ずしも組合員のためだけに運営されているわけではありません。特に金融・保険事業で問題が多く、多くの組合員や一般消費者が不利益を被っています。

書籍「農協の闇(くらやみ) 窪田新之助著」ではJA職員によって組合へ販売される詐欺まがいの商品や、その売り方の紹介、またJA職員自身も「高すぎるノルマ」、「自爆」と言われる経済的な被害者にもなっている事実、そしてその事実を把握しながらも変わろうとしない組織について綿密な取材データに基づき記された一冊です。

JAの暗闇部分が明らかとなる、農業関係者は勿論、JA関係者が親族や知り合いにいる方は必読の書籍ですよ。

この記事では、JAとの付き合いは「農業関係者がビジネスパートナー限定にすべき」としてその意義を解説します。

目次

JAの本来の役割と暗闇の実態

JAは「組合員の生活向上」を目的とする協同組合として設立されましたが、その現実は必ずしも理想通りではありません。農業・畜産・酪農などを担う「経済事業」はもちろん、資金の貸し付けや貯金を扱う「信用事業」においても、長期化する低金利の影響で十分な利益を上げられない状況が続いています。

その結果、保険や年金を扱う「共済事業」で利益を稼ぐ体質へと移行しているのが実態です。

特に共済(保険)商品の営業・販売方法や、職員への自爆営業に関する問題が指摘されています。介護保険や個人型年金の販売を受けた方に対しては、特に注意が必要であると本書で呼び掛けられています。

具体的には、介護保険において、保険加入者が損をする可能性が高い支払い方法への切り替えを積極的に勧めているそうです。この「全期前納方式」という支払い制度では、「介護が必要となった場合に払い戻しが一切なされない」という契約に変更されます。保証内容はそのままですが、掛け捨てのリスクが増加し、全期前納方式に変更した場合、介護が必要にならなければ支払った金額が一円も戻らず、死亡給付金も受け取れなくなる危険性があります。

また個人型年金は「公的年金で足りない部分が補えて安心!」とか「税額控除が受けられる!」ってことで喜んで私も入っていたのですが、入っただけでも高い手数料を掠め取られ、法外な解約手数料を課すボッタクリ商品であることが分かり即刻解約した経験があります。

しかしながらJAの個人型年金の営業は、それどころではなく、年金加入者が支払った金額の「ネコババ」とも言えるような「事実上、支払った掛金が戻らない」という可能性をアップするためだけに年金支給開始時期を90歳にまで引き上げる営業テクニックを生み出したそうです。年金支給開始のタイミングを90歳とするにあたっては、「必要となったら、いつでも解約できるから」という方便を利用しているそうです。

「農協さんが勧めてくれることだから、悪い話ではないでしょうね」

そう信じてくれて契約してくれる顧客の信頼を踏みにじる、信じられない理由が隠されているのです。

仮に年金加入者が認知症を発症して介護施設へ入居している場合など、解約手続きには成人後見人をたてる必要性があるということ、またJA職員が契約解約のために介護施設へいく義務はないとしていることなどから、最悪の場合、前払いしたお金を年金としてJAから1円も受け取ることなく人生を終えられる加入者が出て来るのです。

こういった販売をどれだけの資産をこの高齢者は持っていて、もうすぐ満期を迎えそうな商品を持っていて「返戻金」を支払わなければならない顧客に対して、積極的にアプローチをした結果、「農協さんの商品は満期返戻金がない!」と信じている思っている残念な人が食いものにされている…

そう、狙われたら最後、それがJAの暗闇なのです。

またJA職員は加害者であると同時に被害者でもあるとこの書籍「農協の闇」には書かれています。自発的に入りたい商品は自動車共済だけなのに、個人型年金や保険、JAの機関誌や新聞の購読、カタログギフトの年間契約などなど、JAで保険商品の販売の専門家であるLA(Life Advisor)以外の窓口職員たちにも過大なノルマが課せられているそうです。

ノルマ未達の場合は昇給や昇格にまで影響が出るとのことで自分や家族は勿論、知り合いに契約だけ結んでもらって支払いは自分が肩代わりするなどの「自爆」行為により「ボーナスは実質ゼロ」となっている職員もいるそうです。

これらの問題はJAの内部監査でも情報が集められ、特に過大なノルマについてはJA上層部の知るところになっているようですが、この書籍「農協の闇(くらやみ)」が出版された段階では改善が一切見られなかったどころか、事態が悪化している組織もあったそうです。

そう、入ったら最後、それがもう一つのJAの暗闇なのです

JAの暗闇との具体的な付き合い方

JAは生産技術の指導や流通において、今でも重要な役割を果たしています。しかし、農業資材の価格が他の量販店と明らかに異なる場合もあり、価格を比較しながら活用することが望ましいです。

一方で、JAとの関係を深める中では、金融や保険商品を利用しないほうが賢明であると考えられます。特に共済商品はリスクが高い場合があり、慎重な判断が必要です。自分の財産を守る責任は最終的に自分にあるという認識を持ち、それに基づいて知識を深める努力をすることが重要です。

さらに、他の金融機関のサービスを検討することをおすすめします。農業や畜産、酪農に関する専門的な支援やアドバイスはJAを通じて有益に活用できますが、契約や取引を進める際には、冷静に状況を見極め、必要に応じて柔軟に対応することが大切です。

一時的な損失を確定するにしても農協の紹介で契約してしまった介護保険や個人年金を買った時点で皆さんの自己責任です。こうして大金を前払いしたのに1円も受け取れなく事例が明らかになっても何の罪にも問われていない現状を鑑みると、早期に解約することをお勧めします。

JA職員とは、ビジネスパートナーとして業務上の関係を徹底することを心掛けるのが賢明です。感情的な付き合いを避け、専門性を活用しながら、金融商品などの勧誘にはきっぱりと拒否する姿勢が重要です。

JAの暗闇を理解したなら、次にすべきことは一つです。全てのJA由来の金融商品を手放し、現金での貯蓄か、賢い投資に切り替えましょう。皆さんが損をするリスクを理解しながら放置するのは、ただの無知でしかありませんよ。

まとめ:JAと賢く付き合うことで得られるメリット

本書の「終わりに」では、組織はなかなか変わらないものであるという筆者の実感が述べられています。

この書籍で取り上げたJA(農協)のいくつかは、過去に不祥事が明るみに出て、監督機関である都道府県から業務改善命令を受けています。しかし、著者が出版前にJA職員たちにその後の状況を確認したところ、いずれのJAでも未だに過大なノルマが残っており、不祥事の原因である「過大なノルマ」という問題は改善されていないことが明らかになりました。

JAの経営陣には「過大なノルマこそが問題である」という声は届かず、一部では状況がさらに悪化したJAも存在しているといいます。

この書籍「農協の闇」において著者の窪田新之助氏、JAグループの職員たちへの綿密な取材をもとに構成されています。特に、自分たちの組織の暗部を打ち明けた職員たちの証言は、非常に勇気のあるものでした。

証言してくれた職員たちに共通していたのは、「この組織に残り、少しでも良い方向に変えていきたい」という強い意志でした。彼らは、JAを良くしたいという思いを抱えながらも、その希望が実現しない現実に直面し続けているという、ひたむきな気持ちを持つ職員たちの悲痛な叫び声が聞こえて来そうです。

残念ながら、組織は変わらず、むしろ悪化している部分も見られるという現状が浮き彫りになっています。

JAとの関係は、農業者にとって重要な部分ですが、特に金融や保険商品に関しては慎重な対応が求められます。自分自身の財産を守る責任があることを認識し、必要な知識を深めながら、JAを「ビジネスパートナー」として賢く付き合うことが重要です。

農業資材の購入や技術支援は、有用性を比較検討した上で活用することで効果的に利用できます。一方で、金融や共済商品の契約に関しては、他の選択肢を検討し、自身に最適な方法を見つける努力が必要です。契約時には冷静さを保ちながら、長期的な視点でリスクを最小限に抑えることを心掛けましょう。

JAとの付き合い方を慎重に見直すことで、我々は大切な資産を守ることが出来るのです。

農業従事者である以上、多くの方々は農協と関わることは避けられませんが、無知のまま利用することはリスクでしかなく、賢く付き合う方法を知ることが、あなたの大切な資産を守る唯一の手段です。

カタログギフトや雑誌購読は付き合い程度ということで容認される方もいらっしゃると思いますが、経費云々の前に、私の現金が減った分、JAが潤うことには変わりありませんので、私は絶対に加入しません。

数百万円もする保険や年金商品は決して付き合いで買うべきではありません。損失を避けるためには、早期解約を検討し、これ以上の損失を防ぐべきです。

この視点を持つことで、農業者の生活や経済をよりしっかりと支えられる、健全な未来へと繋がると信じたいですね。

パンチです

JAの販売する介護保険や個人型年金、
販売手数料が高いのは知ってたけど怖すぎです。
一旦買ってしまったら、
受け取る瞬間まで気が抜けないですよね!

ピーチです!

銀行や郵便局、保険会社が売り込みに来る商品って
全部あぶないと思ってた方が良いですよね。
保険に関する記事、他にも書いてるので読んでみてね
👉https://www.makoto-lifecare.com/

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