キューピーベビーフード事業撤退、そして子ども家庭庁の沈黙

キューピーベビーフード事業から撤退のテキストと背景にスーパーマーケットのベビーフードの棚

2025年6月12日、キューピーが2026年8月末をもってベビーフード事業からの撤退を発表しました。

これに対し、乳幼児を抱える多くのお母さんたちからは悲鳴にも似た声が上がり、事業継続を求める署名活動まで起きていると報じられています。

「キューピーのベビーフードがなかったら、子どもと外出することなんてできなかった」「これがなくなるなら、2人目は諦める」

こういった切実な声がSNS上に溢れているのを目にすると、単なる企業の事業撤退という枠を超え、多くの家庭の「日常」が脅かされている深刻な問題であることがわかります。

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なぜ、こんなにも騒がれるのか?

ベビーフードと一口に言っても、離乳食の進捗に合わせて7ヶ月、9ヶ月と細かく対象年齢が分かれ、肉じゃが、シチュー、魚のクリーム煮、さらにはバナナプリンまで、そのラインナップは多岐にわたり72品目にも及びます。これだけの多品種を揃え、安定的に供給するには、並々ならぬ企業努力が必要です。更に少子化が加速していく中でビジネス継続のために人材育成や設備更新などが必要なことを考えると、65年間の事業運営に幕を下ろすべきという判断も理解できます。

特に、もう一つのベビーフードの大手サプライヤーである和光堂への不信感が一部でくすぶっているのが暗い影を落としています。和光堂が供給するベビーフードや粉ミルクにおける異物混入の報告が増加していることに起因し、同社に対する不安の声がSNS上で拡散されているようです。

実際、近所のスーパーマーケットのベビーフード売り場を見てみても、明らかにキューピーの製品が割高なのに売れている様子を伺い知ることができました。例えばキューピーの生後12ヶ月向け「ほっくり肉じゃが弁当 90gX2 429円(税込)」は売れた形跡があり棚に隙間が確認できましたが、和光堂の「じゃがいもとお肉のカレーライスランチ 170g 257円(税込)」はギッシリと棚に収められていました。

キューピーの製品は多くの親にとって「頼れる選択肢」であり、育児の強い味方でした。それだけに、今回の撤退がもたらす影響は計り知れません。

子ども家庭庁への期待と現実

本日、2025年6月17日正午の段階では本件に対して子ども家庭庁からのコメントは確認できませんでした。

こうした子育て世帯の切実な声に対し、現時点で、政府の反応は鈍いと言わざるを得ません。

2023年4月に発足した子ども家庭庁は、子どもに関する政策を一元的に所管し、「司令塔」としての役割を果たすことが期待されていました。しかし、その評判はすこぶる芳しくないのが現状です。

子育て支援は、超高齢社会となった日本において、与党の支持層である高齢者に直接的な恩恵が少ないため、政策推進が難しいという構造的な問題があるのは理解できます。しかし、少子化という国家的な危機に直面している今、目先の票勘定ではなく、長期的な視点に立った政策推進が不可欠です。

今回のキューピーの件は、まさにその日本の政策解決能力の限界を示しているように感じます。子育て世帯の生活に直結する喫緊の課題に対し、危機管理能力や当事者意識が不足しているように見えます。企業の経営判断であるとはいえ、ベビーフードが子育て世代にとっての「社会インフラ」としての側面を持つことを考えれば、ただ静観しているだけでは済まされないはずです。

求められるのは「実効性ある政策」と「当事者意識」

子ども家庭庁には、国民の不信感を払拭し、真に子どもと家庭のための政策を推進していくことが求められます。

  1. 具体的な成果と迅速な情報発信: 「絵に描いた餅」ではない、実効性のある政策を立案し、その成果を国民にわかりやすく、迅速に伝える努力が必要です。
  2. 現場の声への傾聴と当事者意識: 実際に子育てをしている親や子どもの声に耳を傾け、それを政策に反映させる姿勢が不可欠です。
  3. 省庁間の連携強化と司令塔機能の発揮: 子どもに関する政策を多角的に捉え、関係省庁との連携を強化し、真の「司令塔」として機能することが求められます。

今回のキューピーのベビーフード撤退問題は、子ども家庭庁にとって、その存在意義が問われる試金石となるでしょう。この問題にどう向き合い、どのような解決策を提示できるのか。多くの親たちが、政府の真価に注視していることを関係者の方は意識して欲しいと思います。

このブログ記事で、皆様の共感を呼ぶことができれば幸いです。

皆さんのご意見をどうぞコメント欄よりお聞かせください。

パンチです

これは一企業では手に負えない
深刻な事態ですね。
政治の出番だと私は思います。

ピーチです!

皆さんのご意見やご感想を是非お聞かせくださいね

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