待ちに待った夏休み、懐かしい「ふるさと」への帰省を楽しみにしている方も多いでしょう。
再会を祝う場には、心温まる和菓子や洋菓子のお土産が欠かせません。
しかし、私たちが手に取る美味しいお菓子を作っているお店の多くが、
実は今、深刻な経営危機に直面していることをご存知でしょうか?
帝国データバンクによると、
2025年1~7月の菓子製造小売業の倒産件数は39件と、
前年同期の1.6倍に急増したのです。
このままのペースで推移すれば、
年間で過去最多を大きく更新する70件に達する可能性も指摘されています。
原材料の高騰、人手不足、競争激化などの難題が歴史ある菓子店を追い詰めているのです。

引用元:帝国データバンク
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廃業の道を選んだ老舗や人気店
こうした厳しい状況の中で、長年の歴史を持つ老舗や地域で愛された人気店、
2025年1~7月末までに倒産したお店だけで、これだけあり、
壽三色最中本舗(宮城県)
- 創業: 1931年
- 倒産経緯: 仙台銘菓「三色最中」で知られる老舗。バブル期には年間売上約7億9500万円を誇りました。しかし、消費者の嗜好変化や原材料費の高騰、コロナ禍による客足の減少が重なり、経営が悪化。2025年3月に事業を停止し、5月に破産手続きを開始しました。
- 負債額: 約5億円
お菓子の みやきん(青森県)
- 創業: 1861年(文久元年)
- 倒産経緯: 皇室献上菓「駒饅頭」で知られる名店。国内外への展開を目指し、2018年に新工場を建設しましたが、この設備投資負担が経営を圧迫。さらに競争激化や原材料費の高騰が追い打ちとなり、2025年2月に事業を停止しました。
- 負債額: 約7億円



柿原製菓(株)(鹿児島県)
- 創業: 1956年
- 倒産経緯: 洋菓子「マイケーキ」がヒットし、ピーク時の売上は約3億3000万円に達しました。しかし、同業者との競争激化、原材料費・人件費の高騰、設備の老朽化、そして新型コロナウイルス禍による営業活動の困難が重なり、収益が低迷。2025年7月に事業を停止し、破産手続きを開始しました。
- 負債額: 約2億7,000万円



秋月(北海道)
- 創業: 1966年
- 倒産経緯: べこ餅やどら焼きなど和洋菓子を製造。原材料価格高騰や物価高による売り上げの伸び悩みが経営を悪化させました。2025年4月に札幌地方裁判所から破産手続き開始決定を受けています。
- 負債額: 約1億3,000万円
コロナ禍後の物価高騰に伴う生産コストの上昇と売上の伸び悩みは、
多くの業界に共通する課題となっています。
その中でも菓子業界では、新工場を建設した直後にコロナ禍の直撃を受け、
経営が低迷した「お菓子の みやきん」。
また、生産設備の老朽化が進む中、追加投資費用を捻出できず、
やむなく事業継続を断念した「柿原製菓」などが挙げられます。
さらに数少ない生産コスト削減策であるOEM生産(外部への委託生産)には
「技術的な困難」が伴う上に、
加えて「老舗としての誇り」が、
選択肢を制約する一因となっていると考えられます。
結果的に生き残りを図るための手段が限られ、厳しい状況に追い込まれているのです。
そして金利上昇による借入金の返済コストも軽視できません。
こちらは同じく帝国データバンクが発表した全国「老舗企業」分析調査です。
金融機関からは「老舗だから大丈夫だろうというイメージに捉われることなく、
これまで以上に本業の事業性評価を細かくチェックする必要がある」といった声も聞かれ、
今後は老舗企業に対して厳しい見方が強まるとみられる。
抹茶ブームの追い風を受けながらも老舗企業の倒産が続いているお茶業界と同様に
菓子の製造小売業に対しても金融機関の厳しいメスが入っていることが伺えます。
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まとめ:私たちにできることとは?
これらの事例は、決して遠い世界の出来事ではありません。
お菓子屋さんも、そしてお茶屋さんも最悪のペースで倒産しているのです。
街角やショッピングモールにある、皆さんが、かつて通っていたお店も、
いつの間にか、なくなってしまうかも知れません。
私たち一人ひとりの消費行動だけが、地域に根差した伝統あるお店を救う力になります。
また買いたいな、食べたいな、そんな風に思ったときが吉日。
推しは推せるときに推しましょう!
お店に足を運んで、商品を手に取って、みんなで素敵な笑顔になってみませんか?




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