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【まとめ記事】丸亀製麺・牧のうどん・すかいらーく・未来食堂・吉野家──外食業界の成功の鍵とは?
「従業員の幸せなくしてKANDOは生まれない」という理想を掲げながら、その実現に苦戦する企業も少なくない現代の外食関連産業。 一方で、厳しい環境下でも独自の戦略で成長を続ける企業も存在します。 本記事では「ブラック寸前」と揶揄されながらも従業員のエンゲージメントが高い「丸亀製麺」の強さの秘密、そして福岡で愛されるソウルフード「牧のうどん」の地域密着型経営に迫ります。 さらに「オワコン化」が指摘される中で「しゃぶ葉」への業態転換とFC化で再起を図る「すかいらーくグループ」への提言、続いて「ただめし」という独自の仕組みで10年近く黒字を続ける「未来食堂」のユニークな経営哲学、そしてラーメン事業で「世界一」を目指す「吉野家ホールディングス」の挑戦... -
福岡のソウルフード 牧のうどん──“店長たちが毎朝、本店に通う”直営チェーンの完成形
福岡県の方にとっては当たり前の存在でも、県外の方から見ると少し不思議に映る──そんな唯一無二のローカルうどんチェーンが地域密着の「牧のうどん」です。 極太でやわらかい麺、スープをどんどん吸って増えていく独特の食感、さらに、「ごぼ天」や「かしわごはん」といった福岡ならではの定番サイドメニュー。これだけでも十分に個性的ですが、実はこのお店、運営の面でも非常に特徴的です。 私はかつて、福岡で自営農家をしていた時期がありました。毎朝、畑へ向かう道中で、糸島市にある「牧のうどん本店」の前を通るのが日課でした。 そのとき、私はいつもの光景を何度も目にしました。まだ日も昇りきらない早朝、複数のバンが本店に集まり、それぞれの店長と思われる方が、巨大な... -
ガスト店長、年収1000万円超の裏側──私が経営者なら「店ごと」譲渡します!
すかいらーくホールディングス(以下 すかいらーくHD)が導入した店長年収1000万円超制度は、人手不足解消と利益率向上という二つの難題に挑む革新的な試みです。 同社は「店長年収1000万円超」の新制度を導入を発表しました。従来の上限840万円から大幅アップとなるこの施策は、各メディアで「飲食業界の人手不足を救う、夢のある制度」とされる中、Yahoo!ニュースでは「相当きつそう」というその実現に疑問を投げかける報道も一部ありました。 Yahoo!ニュースの記事にも取り上げられているように、この取り組みの短期的成果として店長のレベル底上げだけではなく、成功ノウハウも社内に蓄積されて機運も高まることでしょうが、確かに実現するにあたっては様々な問題が生じそうですね... -
丸亀製麺が築く働きがいと未来─直営主義が生む熱血社員たちのリアル
「従業員の幸せなくして、KANDO(感動)は生まれない。」 多くの外食チェーンが掲げるこの理念を、真に行動で示せる企業はどれほどあるでしょうか? トリドールホールディングスが展開する丸亀製麺の山口寛社長は、全店舗を自ら訪問するほど現場主義を貫きます。社員やアルバイトからの評価は高く、経営目標も次々と達成。企業のエンゲージメントは業界屈指です。一見「厳しいブラック企業」と映る環境の中で、働く人々が語るのは「他社とは違う」という誇りと忠誠心。この「時代遅れ」とも思われがちな価値観が、いま、なぜ復活し、機能しているのか? 本記事では、丸亀製麺の「構造」と「熱」、その秘密に迫ります。 なぜ丸亀製麺は“ブラック寸前”でも人が辞めないのか? 丸亀製麺が“... -
すかいらーくに残された“最後の切り札”とは──資さんうどん?バーミヤン?それとも…
かつて「ファミレス王国・日本」を築いたのは、まぎれもなくすかいらーくグループでした。ドリンクバーの先駆けとして外食文化を変革し、全国すべての都道府県への出店を達成。「ガスト」の1,000店舗体制は、“国民的ファミレス”の象徴とも言える存在でした。 しかし今、ファミリーレストランという業態そのものが、大きな転換点に差し掛かっています。家族での外食は「ファミレス」から「回転寿司」や「焼肉食べ放題」へ、単身層の“ちょい食べ”は「コンビニ」や「フードコート」へ──利用シーンそのものが分散し、ファミレスの役割は徐々に薄れつつあるのです。 その変化に最も苦しんでいるのが、皮肉にもこの業態の先駆者であるすかいらーく。特に「ガスト」には、今や“何を食べに行け... -
すかいらーく最後の切り札は「しゃぶ葉」-FC転換がもたらす経営再建の道すじ
全都道府県制覇、ドリンクバーの先駆け、1,000店舗達成──かつて“外食の王者”と呼ばれたすかいらーくグループは、今や時代の変化に取り残され、その主力ブランド「ガスト」は「オワコン化」による低収益体質が深刻化しています。 経営再建への道すじを探るなか、私たちが見つけた唯一の希望の光── それが「しゃぶ葉」業態への転換とその後のフランチャイズ(FC)展開であると考えます。 実は、この再建シナリオには、コメダ珈琲のフランチャイズモデルという最高のお手本があります。 しゃぶ葉は、すでにその条件を満たしており、すかいらーくに残された“最後の切り札”として、この仕組みを本気で取り入れられるかどうか、その覚悟が今後の命運を分けます。 残された時間は、そう多くは... -
“理想を掲げた者”と“理想を繋ぐ者”──Green Smile 橘佳慶と未来食堂 小林せかい
「ただめしを食べさせる食堂」として注目を集め、10年近く黒字経営を続けている未来食堂。一方、デザイン性とコンセプトで話題を呼んだ「日本一カッコいい、未来の八百屋」であるGreen Smileは、事業継続を2025年5月に断念しました。 どちらも、“理想を掲げて食のあり方に挑んだ”ビジネスでした。しかし、その理想が現実とどう交差し、どこで道を違えたのか——。 本記事では、皆さん自身が一人の経営者として、また社会人として「理想を持って何かを始めたい」と感じているのであれば、是非知っておいて頂きたい、理念と経営のバランス、そして継続できる仕組みとは何かについて、2つの事例から紐解いていきます。 Green Smileと未来食堂については、それぞれ以前に私が書いた記事にて詳... -
吉野家ラーメン事業の失敗は確定!あのときこうしていれば・・・
吉野家グループホールディングス(以下、吉野家HD)は、世界一のラーメン事業を目指すと発表しましたが、その成功への道は既に誤っていると言わざるを得ません。 では、具体的にどこで間違えたのでしょうか? 2025年5月、吉野家HDは「2029年度 売上3000億円、営業利益150億円」という大胆な目標を掲げました。そのけん引役として期待されたラーメン事業は、現状の「売上80億円、営業利益4億円」を、わずか5年間で「売上400億円、営業利益40億円」に成長させるという計画を発表。この業界最高水準である営業利益10%を達成する戦略は、報道各社でも注目を浴びました。 2029年度までに400億円目指す!ITmedia ビジネスオンライン 2034年度には提供食数を世界一に読売新聞 吉野家HDのラー... -
理想を繋ぐ未来食堂──『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由』
小林せかいさんが未来食堂の創業準備から黒字経営を続ける今日までの日々をつづったエッセイです。
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