5種類以上の紅茶の名前、すぐに言えますか?
ダージリン、アッサム、アールグレイ──
あたりまでは思い浮かぶけれど、う~ん、それ以上となると……ちょっと詰まりませんか?
実は「おいしい紅茶の店」に認定されるには、5種類以上の紅茶を常時メニューにそろえていることが条件のひとつになっていて、しかもこれ、「日本紅茶協会」がしっかり基準を設けて、覆面審査まで行っているガチ認定制度なんです。
そんなハードルの高い制度にもかかわらず、
なんと――日本で一番「おいしい紅茶の店」が多い町があるんです。
しかも、東京でも京都でも神奈川でもなく……まさかのあの県に!?
この記事では、「おいしい紅茶の店」ってどんな基準で選ばれてるの?
そもそも、5種類ってどれを揃えればいいの?
そんな疑問にお答えしながら、紅茶でまちおこしを成功させた驚きの町をご紹介します。
読んだあとは、きっと“おいしい紅茶”が飲みたくなりますよ。
🫖 第1章:「おいしい紅茶の店」、認定基準の厳しさ、信じられますか?
「おいしい紅茶の店」なんて、ちょっと優しげな響きですが──
実はこの称号、紅茶好きの間では“ミシュラン的”な価値があること、ご存じでしょうか?
この制度を運営しているのは、日本紅茶協会。
1988年にスタートしたこの取り組みは、紅茶文化の普及と品質の向上を目的として始まりました。
でもその実態は、かなり本気なんです。
✅ 認定条件は、意外とハードル高めです
「おいしい紅茶の店」として認定されるには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります:
- 紅茶を1年以上継続して提供していること
──試しに始めたばかりの“なんちゃってカフェ”は対象外。 - 5種類以上の紅茶を常時メニューに揃えていること
──紅茶を“選ぶ楽しさ”まで提供できるかがカギ。 - 紅茶について説明できるスタッフがいること
──どんな茶葉なの? ミルクティーに合う? そんな質問にも答えられる知識が求められます。
しかも、これらの条件を書類で申告するだけではダメ。
なんと、日本紅茶協会が実際にお店に足を運んで審査します。
そう、まさかの覆面審査制なんです。
🕵️♀️ “紅茶の覆面調査員”が来る!?
認定審査では、協会のスタッフがお客さんを装って来店し、紅茶を注文し、接客や味・香り・提供スタイルまで細かくチェックします。
この覆面審査によって、「形式だけ整えた店」や「一時的に紅茶を並べただけの店」は認定されません。
つまり──
「おいしい紅茶の店」とは、
“おいしい紅茶を、ちゃんとした知識で、ちゃんと出してくれるお店”の証明書なんです。
🔄しかも、一度認定されても“安泰”ではないんです!
「認定されたら、それで終わり」ではないのも、この制度のすごいところ。
4年に1度、再審査があるんです。
認定を受け続けるには、メニューの更新、スタッフ教育、茶葉の管理など、日々の努力が欠かせません。
実際、日本一の紅茶の町(後述)では、この再審査に向けた取り組みが市ぐるみで行われています。
市観光協会が主導し、認定店オーナーやスタッフを対象に紅茶の淹れ方、ブレンド、アフタヌーンティーの演出法まで含めた勉強会を定期開催してるんです。
店舗どうしで知見を共有しながら、審査に備える体制を整えているんですね。
その結果、2011年に一挙14店舗が初認定されて以降、13年連続で日本一!
認定が一過性のイベントではなく、地域文化として“根づいている”証といえるでしょう。
だからこそ、この制度に選ばれることは、
お店にとっての誇りであり、
お客さんにとっての信頼マークなんです。
🏆 美味しい紅茶の店 チャンピオンシップ2019
2019年7月5日(金) パシフィコ横浜「CafeRes Japan 2019」会場内「International Tea Show」にてイベント「日本紅茶協会認定 おいしい紅茶の店 チャンピオンシップ2019」が開催されました。
このコンテストは、全国に224店ある「日本紅茶協会認定おいしい紅茶の店」をより一層、広く一般に認知頂き、紅茶業界の更なる活性を図ることを目的に開催されたそうです。
私たちが紅茶と聞いてイメージする、ごくシンプルなものとは異なり、「おいしい紅茶」とは見た目も華やかでお洒落な時間を共に過ごすことができる、ちょっと背伸びして久々に会う、特別な知人のような立ち位置なのかも知れませんね。




引用元:おいしい紅茶の店チャンピオンシップ2019 | 日本紅茶協会
次章では、そんな「5種類以上の紅茶」を揃えるって、実はけっこう大変だよね?という話を掘り下げていきます。
紅茶好きな皆さんも、意外と知らない“選び方の奥深さ”が見えてくるかもしれません。
🍂 第2章:5種類そろえるって、けっこう大変なんです
「5種類以上の紅茶を常時提供」──
これが、日本紅茶協会による「おいしい紅茶の店」の認定条件のひとつ。
でも、これって実際にはかなりの難題なんです。
なぜなら、紅茶って産地や茶葉の個性がぜんぜん違うし、お客様の好みも多種多様。
「香り重視の人」「ミルクティー派」「ストレート派」「フレーバーが好きな人」──
全員に“ちょうどいい”ラインナップを揃えるのって、本当に悩ましいんです。
☕ 茶葉ごとの個性を知ろう
まずは、よく知られた代表的な紅茶5種類を、簡単な表で整理してみましょう。
茶葉の名前 | 主な特徴 | 向いている飲み方 | 印象的なポイント |
---|---|---|---|
ダージリン | 繊細で華やかな香り(マスカテル) | ストレート | 「紅茶のシャンパン」とも称される香り高さ |
アッサム | コクが強く濃厚 | ミルクティー | しっかり淹れて牛乳たっぷりで◎ |
ディンブラ | 渋み少なめ、クセが少ない | ストレート〜ミルク両用 | オールラウンダー的存在 |
アールグレイ | ベルガモットの香り付き | ホット・アイス両方OK | フレーバーティーの定番中の定番 |
ニルギリ | 軽くてフルーティー、クセがない | アイスティーや食事中に | 夏に人気!クリアな味わい |
🧠 お店の“戦略”が見えてくる、5種の組み方
実は、どの茶葉を選ぶかはお店の“哲学”やターゲット層”によって全然違うんです。
ここでは、いくつかの「構成タイプ」を例にご紹介します。
タイプ名 | 構成例 | 向いているお店/客層 |
---|---|---|
バランス型 | ダージリン/アッサム/アールグレイ/ディンブラ/ニルギリ | 紅茶初心者〜オールラウンド対応型 |
香り重視型 | ダージリン/キームン/アールグレイ/ローズティー/ジャスミンティー | フレグランス好き・女性向けサロン系 |
ミルクティー型 | アッサム/ウバ/ルフナ/ロイヤルブレンド/チャイ(スパイス入り) | 濃い味+甘さを楽しみたい派 |
季節感重視型 | ダージリン(春摘み)/アイスティー用ニルギリ/アップルティー/ピーチティー/ハーブミックス | 季節ごとに茶葉を変えるカフェスタイル |
個性派専門型 | キームン/ネパールティー/ルフナ/ラプサンスーチョン(燻製)/マテ茶など変化球 | 通向け/茶葉オタク歓迎店 |
📌「紅茶5種=ルール」だけど、それ以上に“センス”が問われる
この「5種類の紅茶をそろえる」という条件、単に数が揃っていればいいわけではありません。
紅茶の世界では、“どんなラインナップにするか”=“その店のセンス”とも言われています。
- どんな香りと味をどう組み合わせているか
- 食事に合わせるのか、スイーツに寄せるのか
- 夏と冬でメニューを入れ替えているか など…
その店の個性や、お客さんへの気配りが“5種”に表れるんですね。
🧁 紅茶とスイーツの“黄金コンビ”も大事なんです
そしてもうひとつ、お店側が工夫しているのが、紅茶に合うスイーツの開発や提案。
たとえば──
- アッサム × 自家製スコーン
- アールグレイ × チーズケーキ
- ダージリン × 苺のタルト



などと“ペアリング提案”をすることで、選ぶ楽しさが倍増しますね。
「おいしい紅茶の店」の認定店では、こうしたメニュー構成力や紅茶への想像力が問われているのです。
初めて「おいしい紅茶の店」に行くときには、シッカリ予習して臨むのも良いですが、最低限のマナーを身に着けている皆さんであれば、自分の好みをお店の方に伝えて、そして「こだわりの逸品」を教えてもらうスタンス、それが「賢くお洒落な」楽しみ方のような気がしますね。
そして次章では──
この厳しい条件をクリアし、全国一の紅茶の街になった、ある地方都市をご紹介します。
静岡でも鹿児島でもない…ちょっと意外な、あの街です。
🏡 終章:「紅茶のまち」って、実はあなたの近くにもあるかも?
“紅茶”と聞いて、イギリスやアフタヌーンティーを思い浮かべる人は多いかもしれません。
でも、ここ日本でも、「紅茶のある日常」を育てようとする町があります。
その代表例が──
愛知県・尾張旭市。
🍃 “紅茶でまちおこし”の先進地──尾張旭市の挑戦
尾張旭市は、平成23年(2011年)に日本紅茶協会から「人口1人あたりの認定店数 日本一」として初認定を受けて以来、13年連続で日本一を継続中。
現在、市内には14店舗もの「おいしい紅茶の店」が点在しています。
この実績を支えているのは、市と店舗、そして地域住民が一体となった取り組み。
- 認定店向けの紅茶セミナーや勉強会
- 紅茶フェスティバル in 尾張旭(毎年11月頃開催)
- 「おいしい紅茶のまちアンバサダー」制度による企業連携
- さらには市役所でPR用紅茶パックを配布するなど、行政も本気
こうした支援の積み重ねが、単なる“カフェの多い町”ではなく、
「紅茶の文化が根づいた町」としての尾張旭をつくり上げたのです。
🔎 実はあなたの住む町にも「おいしい紅茶の店」があるかも?
尾張旭市だけが特別なわけではありません。
この「おいしい紅茶の店」認定制度、全国各地で現在200店舗以上が認定されているんです。
実際、私自身も驚きました~!
なにげなく公式サイトを検索してみたところ、
自分が住む田舎町にも、認定店があったんです。
こんな偶然、ちょっと嬉しくなりませんか?
🔗 あなたの街にも、紅茶の香りを探しにいこう
お住まいの地域にある「おいしい紅茶の店」を探すには、以下の公式リストが便利です:
県名を選ぶだけで、店舗名・住所・TEL・営業スタイルまで確認できます。
次の休日、「おいしい紅茶を親しい友人と一緒に!」という目的で
地元を歩いてみるのも、ちょっと素敵な過ごし方かもしれません。
☕ 紅茶って、実はすごく身近な“贅沢”なのかもしれない
高級でもなく、特別でもなく。
けれど丁寧に淹れた一杯の紅茶は、
ちょっと背筋が伸びるような、そんな心地よさをくれます。
「おいしい紅茶の店」という存在は、
そんな“日常に少しの上質”を添える場所なのかもしれませんね。
🧠 FAQボックス:Q&A形式
Q. 「おいしい紅茶の店」のオンラインショップで紅茶を買いたいのですが、最初は何を何グラム買えばいいか分かりません。
A.
はじめての紅茶選び、迷いますよね。
特に、おいしい紅茶の店の2019年グランプリ受賞の有名店、TEAS Liyn-an(ティーズリンアン) 紅茶専門店 ティーズリンアン / 紅茶」のような本格派ショップでは、種類も多く、どれを選ぶか悩んで当然です。
まずは以下のように考えるとスムーズです:
🔸 迷ったら「ディンブラ」か「ニルギリ」から
- 香りや渋みのバランスが良く、クセが少ないのでストレートでもミルクティーでもOKな万能タイプ。
- 初心者でも美味しく淹れやすく、失敗しづらいのが魅力です。
🔸 1種類あたり“50g”がベスト
- リーフティー50g=約10杯分(1杯5g換算)なので、1週間〜10日程度で飲み切れる量です。
- 開封後の劣化も少なく、紅茶の風味を保ちやすい分量です。
🔸 2種類×50gで“味の違い”を楽しむのもおすすめ
- 例:「ニルギリ50g」+「アールグレイ50g」など
→ ストレート×フレーバー系をセットにすると、飲み比べが楽しくなります。
🔸 ティーバッグ派なら「3種アソート」も◎
- 「リーフより手軽に楽しみたい」という方には、人気のアールグレイやディンブラを詰め合わせたティーバッグアソートセットがおすすめです。
- 外出先や仕事中にも重宝します。
💡 最後に:
保存には「密閉容器」や「乾燥剤付きの紅茶缶」があると便利ですよ。最初の1杯で紅茶の奥深さにハマるかもしれません!
Q. ティーバッグとリーフティーでは、風味に違いがありますか?
A.
はい、あります。一番の違いは「茶葉の広がり方」と「香りの立ち方」です。
🔸 ティーバッグ
- 茶葉が細かくカットされている(いわゆるダストやブロークンタイプ)。
- お湯に早く抽出される反面、香りや甘みの広がりが限定的。
- 忙しい朝や外出先には便利。
🔸 リーフティー
- 茶葉が大きく広がることで、香り・味・余韻の3拍子がそろう本格派。
- 特に「ダージリン」や「アッサム」などの個性が強い茶葉ほど、リーフで飲むと違いが明確に出ます。
💡 おすすめ:
まずはお気に入りの茶葉をティーバッグで試してみて、気に入ったらリーフに進むのも◎です。
Q. リーフティーを買う前に揃えておくものは何ですか?
A.
最低限、次の3つがあればOKです!
道具 | 理由/おすすめポイント |
---|---|
ティーポット(茶こし付き) | 茶葉がしっかりジャンピング(上下に動く)することで、美味しく抽出できます。耐熱ガラス製が見た目にも楽しいです。 |
ティースプーン(またはキッチンスケール) | 1杯=約2〜3gが基本。スプーンでもOKですが、こだわるならデジタルスケールも◎。 |
保存用缶 or 密閉袋 | 湿気・香り移りを防ぐために必須。アルミパック+チャック付きタイプならそのままでも大丈夫です。 |
🔸 さらに余裕があれば:
- ティーカップ(薄手で広がりのあるものが香りに◎)
- 湯冷ましポット(高温すぎると香りが飛ぶ茶葉向け)
初心者向けの「リーフティー入門セット」を扱っているお店もあるので、まずは1,000〜2,000円台から始めてみると負担も少なくておすすめです。




おいしい紅茶の店、行ってみます!




ご自宅でもおいしい紅茶、
愉しんでみてくださいね!
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