お茶・茶文化– category –
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「国産茶筅が姿を消す理由」──消費者としての選択とその背景
抹茶ブームとインバウンド人気の高まり 近年、世界中で「Matcha(抹茶)」ブームが広がっています。抹茶ラテや抹茶スイーツは海外でも人気メニューとなり、茶道に興味を持つ外国人観光客も増加してお土産として抹茶を購入する人が後を絶たず、高級なものほど品薄となり販売制限を始める店舗が出てきました。 その余波は茶道具にも広がり、2024年夏頃には楽天市場「茶舗森半」の通販サイトでも買えた茶筅が現在では画面表示されなくなり、長い間、品切れとなっている様子です。 国産の茶筅を楽天市場で探したところ、「奈良 高山茶筅120本立」は品切れ状態ですね。 ようやく見つけたものは茶碗や振出、棗なども含めた「茶箱セット商品」でした。既に手元に一通り茶道具が揃っている人に... -
世界が“お茶”を選び始めたもう一つの理由──コーヒーの2050年問題の影響
健康志向が高いことで世界から注目を集めている「お茶」ですが、それ以外にも2050年問題対策として注目されているのです。 -
「世界お茶まつり2025」に賭ける静岡茶の逆襲──“日本一陥落”からの再起戦略とは?
2025年10月、「世界お茶まつり2025」が静岡市で開催されます。この一大イベントの裏にあるのは、「静岡茶の復活」という並々ならぬ経済的使命です。 静岡県といえば、かつては日本茶の王者。ところが今、その地位は揺らいでいます。鹿児島県が2024年、ついに荒茶生産量で静岡県を上回り、日本一となったのです 長年トップに君臨してきた静岡が、統計上でも“過去の王者”になった瞬間でした。 そんな中、静岡県が全力で仕掛けるのが、この「世界お茶まつり2025」。これは単なる観光イベントではありません。静岡茶を“再び経済の主役に戻す”ための、四季をまたいだ戦略的プロジェクトなのです。 第1章:失地回復へ──静岡茶が抱える危機感 静岡県は今、かつてないほど“お茶を売る”ことに真... -
“おいしい紅茶の店”が日本一多いのはどこ?──5種類以上の紅茶の名前、言えますか?
5種類以上の紅茶の名前、すぐに言えますか? ダージリン、アッサム、アールグレイ──あたりまでは思い浮かぶけれど、う~ん、それ以上となると……ちょっと詰まりませんか? 実は「おいしい紅茶の店」に認定されるには、5種類以上の紅茶を常時メニューにそろえていることが条件のひとつになっていて、しかもこれ、「日本紅茶協会」がしっかり基準を設けて、覆面審査まで行っている「ガチな」認定制度なんです。 そんなハードルの高い制度にもかかわらず、なんと――日本で一番「おいしい紅茶の店」が多い町があるんです。 私はてっきり東京、表参道で間違いないだろうと思ってました。 東京でも京都でも神奈川でもなく……愛知県、しかも名古屋市ではないのです!? この記事を読んだあとは、... -
なぜ日本大使館で“抹茶サワー”?──鹿児島製茶が挑んだ“宇治ブランドの壁”
なぜ、よりによって“抹茶サワー”だったのか? アメリカ・ワシントンD.C.の日本大使館という格式高い舞台に、鹿児島の製茶会社が参加して行ったプロモーションイベント。その場で振る舞われたのは、茶道の象徴とも言える本格抹茶ではなく、まさかの“抹茶サワー”だったのです。 すでに宇治の名門ブランドがひしめくアメリカ市場で、なぜ鹿児島製茶はあえてアルコール入りという“意外性の一杯”で勝負に出たのでしょうか?そこには、日本の茶産業がこれから世界で生き残るための、ある戦略的な選択肢が見え隠れしているのです。 NHK鹿児島が報じた“抹茶サワー外交”と、日本でのその存在感 2025年6月、NHK鹿児島放送局が一本のローカルニュースを報じました。舞台はアメリカ・ワシントンD.C.... -
五感で味わう日本のお茶文化|福寿園 山城館と全国の注目施設
2025年6月7日、日本の伝統文化「お茶」と鉄道が見事に融合する特別ツアー「走る茶室 ウエストエクスプレス銀河 琵琶湖一周と茶の道」が実施されます。 クラブツーリズム、JR西日本、福寿園の共同企画で、京都駅から出発し、琵琶湖を一周しながら日本の美しい茶文化を体験できるユニークな旅です。 列車内では茶道家によるお点前を楽しみ、福寿園山城館では五感で味わうお茶体験が待っています。 このように日本各地では、老舗茶舗や関連企業がお茶文化の将来のために「お茶の体験型施設」を次々にオープンし、観光客を魅了しています。 本記事では、「福寿園山城館」をはじめ、全国に広がるお茶テーマパークや体験型施設を紹介し、お茶の魅力を存分に楽しめる旅プランを提案します。 福... -
パン業界の現状と今後 明暗を分ける「選ばれる理由」とは?
✔ この記事でわかること ▶ 米価格高騰によるパン業界への影響と、パン屋倒産件数が減少した背景 ▶ 「選ばれ続けるパン屋」と「消えゆくパン屋」の違いと、具体的な成功事例・失敗事例 ▶ ベーグルなど新たな健康志向トレンドと、消費者が今後パンを選ぶポイント 2024年から2025年にかけて「コメ不足による価格高騰」が問題となったことで、 消費者の間でパンの相対的な「割安感」が広がりました。 この影響でパン屋の倒産件数は2025年1-4月に半分に減少したと東京商工リサーチが報告しています。 しかし、この倒産件数の減少は、経営危機に陥っていたパン屋にとって 一時的な「延命措置」があったためであり、 今後は楽観できないと私は見ています。 事実、2025年8月には新潟県長岡市で... -
2025年の抹茶価格はどうなる? 宇治抹茶が過去最高価格を記録!
2025年の宇治抹茶初市で、 1キロあたり8,235円という過去最高価格が記録されました。 これは前年の1.7倍という驚異的な価格であり、 これまでの最高値である2016年の4,862円を大きく上回ります。 この価格高騰は、宇治抹茶だけに留まらないかもしれません。 他県の「てん茶」初市や初競り価格も高騰する可能性があり、 抹茶市場全体が活況を呈する、激動の年を迎えるかもしれません。 では、なぜ今年の抹茶価格はここまで高騰したのでしょうか? そして、他県産の抹茶価格はどうなるのでしょうか? この記事では現状揃っている情報を踏まえて、 今年の抹茶価格動向を予測し、 市場で起こる様々な事象について検討したいと思います。 ✔ この記事でわかること ▶ 2025年の宇治抹茶初市で過... -
「VAAMは体に悪い?」こんな方には特茶よりも身体に優しいダイエット飲料です!
「VAAMは体に悪い」という噂を聞いて不安になり、このページにたどり着いた方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、そんな心配はまったく必要ありません。なぜなら、私はVAAMが発売された約30年前から、ずっと愛用してきたからです。 当時、私は製薬会社に勤めていて、同僚やお医者さんたちとサッカーチームを組んでいました。その公式ドリンクはVAAM!医学の知識を持つお医者さんや製薬会社の私たちが飲み、効果を実感していたのです。 だから「VAAMは体に悪い!」なんて話を聞いたときには、「一体どういう根拠なんだろう?面白いから調べてみよう」と思いました。実際に検索して上位記事を確認してみると、どれも「飲み過ぎたら危険」という話ばかり。スポーツドリンクでも清涼飲... -
コストコの宇治抹茶ソフトクリーム300円は本物?老舗との比較で見えてきた“真実”
先日、Yahoo!知恵袋にこんな質問が投稿されました。 「コストコのフードコートで2025年4月下旬から販売開始となった『宇治抹茶ソフト』は、いつまで販売されるの?」 これに対し、 「一般的にコンビニスイーツでは中国産やベトナム産の抹茶が使われているため、供給は安定しています」 「でも、コストコが本物の宇治抹茶を使用しているなら、品薄の影響で早めに販売終了するかもしれませんね」 といった回答をさせて頂きました。 抹茶好きなら気になるこの商品。ふと、こんな疑問が浮かびました。 そもそも、この宇治抹茶ソフトクリームって“本物の宇治抹茶”を使っているの? そこで今回は、老舗ブランド『森半(もりはん)』の宇治抹茶ソフトと比較しながら、 見た目・表示・価格の観...